介護保険適用は条件による
介護が必要な家族を自宅でお世話する際、必要になるのが介護用のベッドです。介護用ベッドは、通常のベッドより高機能で、背もたれや足の部分が動くといった、介護する側にとって使いやすい作りが特徴です。「高機能というと、その分費用も高いのでは?」と不安になりますよね。実は条件によっては介護用ベッドにも介護保険を利用出来ます。
レンタルならば自己負担額は1割
介護保険サービスを利用する場合、介護用ベッドの購入代は、残念ながら保険適用対象外です。しかし、レンタルであれば、1ヶ月のレンタル料の9割を介護保険がカバーしてくれます。つまり、レンタルする場合の自己負担は1割でいいのです。
しかし、注意すべき点が1つあります。それは、サービス対象者の介護度の問題です。介護用ベッドのレンタルで保険が適用されるのは、要介護認定区分が「要介護2以上」の方です。要介護認定区分が「要支援」と「要介護1」の方は保険の対象外になってしまうのです。公的介護保険を利用する際は、ケアマネージャーにケアプランの作成を頼みましょう。
レンタルの場合、1ヶ月で数千円から数万円まで
介護用ベッドのレンタルには、ベッド本体の他にマットレスやサイドレール、手すりといった付属品もレンタルが必要な場合があります。それぞれの種類はさまざまで、1ヶ月にかかるレンタル料は数千円くらいから2万円以上するものまであります。介護保険を使う場合はその1割の自己負担となります。
衛生面は問題なし
レンタルの場合、おろしたての新品でない限りは前に誰かが使用している可能性は高く、使用後に消毒が十分にされているのか、衛生面は気になりますよね。
レンタル先から福祉用具貸与業者に戻ってきた用具は、「不潔倉庫」に一時保管され、点検・整備をします。その後、消毒設備で消毒されてから梱包され、「清潔保管倉庫」へ運ばれて指定の審査を受けます。
一連の作業は事業が指定する審査基準に沿って行われ、作業手順を記載し設備の写真を添付することになっています。消毒の方法は厚労省の基準で決まっており、法律でも義務付けられています。
マットレスなど大きなものでも、専用の洗浄機で丸洗いしていますので、匂いや汚れといった衛生面については、そこまで神経質に考える必要はないかもしれません。
それでも気になる方は、新品の購入をおすすめします。
新品は3万円くらいから20万円以上と幅広い
新品を購入する場合、電動リクライニング機能だけのシンプルなものであれば、ベッドの本体のみで3万円くらいで購入できます。寝ている状態から自然な動きで起き上がるような高機能なものになると、25万円くらいかかります。それに加えてサイドレールや専用マットレスなどの付属品もつけると、更に5,6万円ほどかかります。
レンタルでも購入でも、介護用ベッドは医療費控除の対象外です。ベッドを新規購入する場合は、多額の費用がかかるものです。できるだけ費用の負担を減らすべく、控除が適用されるものは利用したいところですが、医療費控除と介護費用の関連はとても複雑で、介護用のベッドに関しては税務署のWEBサイトなどでも医療費控除対象外と明記されています。
レンタル・新品購入の他には、洗浄・消毒が施された中古品を購入する、という方法がありますが、衛生面が気になるという方にとっては、レンタルと同じことと感じられるかもしれません。
ご自分のニーズと予算に合わせて、最適な方法を選びましょう。
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