最近は、老々介護といって、介護する方が高齢の配偶者であるケースも増えています。
程度の差はありますが、認知症の方をお一人で介護するのは、精神的にも体力的にも大変ですよね。
そこで、認知症になったパートナーを介護する際に覚えておきたい大事なポイントを3つご紹介します。

認知症を本当に理解できている人はあまりいない

認知症は、以前までは「ボケ」や「痴呆」とも呼ばれ、「ボケてしまったら、もう何もできない」などと言われることもありました。
いまだに、介護を外部に委託することは家族の怠慢だ、と言う人もいます。
認知症について本当の理解を深め、周囲にも説明していきましょう。

認知症は治らない?

認知症は脳の病気です。
一度に何もできなくなる訳ではありません。
認知症の種類によっては、症状を軽くする治療法もあります。リハビリテーションも有効です。

認知症の人は嘘をついているわけではない

認知症の方が「朝食を食べていない」と訴えてきた場合、本人には朝食を食べた記憶がありません。
つまり、本人は「食べていない」という事実を話しているのです。
事実を話しているのに「何言ってるの、食べたでしょう?」などと言われては、嘘つき呼ばわりされた!と気分を害してしまう可能性もあります。
認知症の方が事実とは異なることを言っても、否定をするのはやめましょう。
どうしても説明が必要な場合には物事を一つずつ、ゆっくりと優しく説明しできるといいですね。

正しいことを教えるのは、あまり意味がない

生活のリズムを整えることや、季節感を出すことで、時間や季節の感覚を失わないようにすることは大事です。
思い出話しなどもよいリハビリテーションになるでしょう。
ですが、もしそれらを認知症の人が忘れてしまった場合に、必死で正しいことを教えてもあまり意味がありません。
ご本人の思いを受け入れて、話を合わせたほうがいいでしょう。

犯人扱いされても思いつめないで

家族など介護する時間が長い人には、認知症の症状が強く出ることも多いです。
「物を盗られた」というような妄想を持つ場合も、身近な介護者を犯人だといいます。
認知症の方に理不尽なことを言われたり、されたりしても、自分が一番身近で介護を頑張っているからだ、と考えましょう。
介護は相性もあるといいます。状況が酷い場合には施設への短期入所などを検討し、関係をリフレッシュすることも考えてくださいね。

認知症の介護は心の負担を減らさないと大変なことに!

重症度に関わらず、認知症の介護には精神的にも体力的にも大変な労力がいります。
特に、今まで寄り沿ってきたパートナーの介護をする場合には、パートナーという相談相手を失い、さらに介護の負担が増えるため余計に辛いですよね。
ご自身の心と身体の健康が損なわれるほど追い詰められるケースも多々あります。ニュースなどでもよく事件を耳にしますね。
認知症のパートナーの介護が辛くなった時に相談できる場所を、必ず確保しておきましょう。

認知症について周囲に相談して理解を得る

パートナーが認知症であることを周囲にも説明し、一緒に見守ってもらいましょう。
周りに話しにくい…と思われるかも知れません。
ですが、きちんと説明をしておくことで、徘徊などの問題がでてきた時にも協力を仰ぎやすくなります。

相談窓口はあなたの為にある

遠慮をせず、自分以外の家族、近隣の方々、ケア・マネージャーにどんどん相談しましょう。
市区町村の相談窓口でもいいです。認知症相談用のコールセンターを設置している地域もあります。
相談するだけならお金はかからないのです。介護の悩みはつきないのですから、相談し過ぎということはありません。

介護仲間と愚痴を言い合って発散

現在は、認知症の家族の集いなどが全国で開催されています。
同じ大変さを知っている相手に、介護の相談をしたり、日常でこんなことが辛いなど、ちょっとしたお話をしたりするだけで、心がすっきりします。
介護に関するヒントやコツも得られるかも知れません。
「仲間がいる」「大変なのは自分だけじゃない」そう思えるといいですね。

自分が認知症になったら子供扱いされたいですか?

嚥下力のリハビリ
認知症は少しずつ進行します。周りからみて簡単なことができない状態でも、ずっと続けてきた趣味や仕事はすんなりこなせたりします。
できないと決めつけず、できることはなるべくやってもらいましょう。
子供扱いせず、お願いしてやってもらい、「流石だね!」などと褒めることができるといいですね。

リハビリしながら介護する方も楽をする

お料理が上手なパートナーだったとします。
認知症が進んで調理は危ないから、とキッチンに入ることを禁止してしまうより、何か1つでもやってもらいましょう。
刃物や火気は危ないと思われる状態なら、お米をとぐ、冷蔵庫から食材を出してもらう、献立を考えてもらう、料理のコツを教えてもらうなど、出来ることは沢山あります。
一緒にいて相手をしないといけないので、自分で作った方が早い!と思われるかも知れませんが、リハビリしながら介護する方の家事による負担を減らせるので一石二鳥なのです。

料理のコツを聞くことで、パートナーがご家族の健康や好みを考えて料理してくれていたことに気づくかも知れません。

認知症のパートナーを介護する場合には、認知症について深く知り、周りの援助も積極的に受け、パートナーの尊厳を損なわないように接しましょう。

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