通常のリハビリは身体能力の回復・維持を目的におこなわれますが、寝たきりの方の場合は物を噛むためのリハビリや拘縮予防などが目的です。
寝たきりになると普通に生活している方には分かりにくい不調が体に現れることがあります。
しかし、意思の疎通が不十分だと何を伝えたいのかが分かりにくいこともあるでしょう。日々のリハビリはそうした事を知る手がかりにもなります。
ここでは寝たきりの方に有効なリハビリ方法を3つに分類し、自宅で毎日取り組める方法をご紹介します。
寝たきりの方に有効な3つのリハビリとは?
マッサージのリハビリ
寝たきりの方にとって、マッサージのリハビリは血液の循環が良くなり、気持ちの良いものです。
手や足の指は血液の循環が悪くなりやすい部分なので、最初にタオルなどで温めてからマッサージすると効果的です。
その際、低温やけどに注意しましょう。
寝たきりの方へのマッサージは、ゆっくり時間をかけて優しく行うことが基本です。
決して強い力を入れてはいけません。怪我の原因になってしまいます。
全身のこわばりを取るイメージで優しくマッサージしていくと、痛がる部分を知るきっかけになります。
拘縮予防のリハビリ
病気や老化、麻痺が原因で長期的に寝たきりになった場合、同じ体制でいると拘縮(こうしゅく)という症状が出る可能性があります。
関節や筋肉自体が固くなる状態を言い、着替えなどの際に痛みを伴うため予防する必要があります。
拘縮予防のリハビリは、手首、足首、指、肘、膝など全身の関節を曲げ伸ばしする方法です。
これを「関節可動域訓練」別名「ROM訓練」といいます。
関節が動く領域を確認しながら、少しずつ動かす幅を広げていきます。
拘縮予防のリハビリは筋肉が硬くなってからでは難しい場合があるので、できるだけ早めに始めることをおすすめします。
噛む、飲み込むリハビリ
食べることができなくなると、体力が落ちる原因になります。
また、噛む、飲み込むの機能が低下すると、喉に食べ物を詰まらせる原因にもなります。
そのため、食べるのに必要不可欠な「噛む」「飲み込む」のリハビリはとても重要です。
これを「嚥下力のリハビリ」または「摂食訓練」といい、自宅でも行うことができます。ここでは2つご紹介します。
尚、嚥下力のリハビリに関しては、言語聴覚士に相談することもできます。言語聴覚士はリハビリ専門医ですので、症状の程度に合わせたリハビリ法を紹介してくれます。
嚥下力のリハビリは2つ
1.間接訓練
唇や舌など自分の顔のパーツを使い訓練をする方法です。
例えば顔をすぼめる、舌を出す、頬をできるだけ膨らますなど食べ物を使わずにリハビリする方法です。
2.直接訓練
食べ物を約30分かけてゆっくり食べるリハビリ方法です。
スプーンに少量の食べ物をのせて口の前に出すと食べたい意欲が自然に沸きます。
食べる量は7割を基本にします。
本人を目の前にし、観察しながらおこないます。
ペースをあせらせないように気を付けてすすめましょう。
寝たきりの方は自分で体を動かせないため、意思伝達が上手にできない場合があります。
日々のリハビリから体調不良を見つけることを常に心がけ、寝たきりが原因の身体能力の低下を防ぎましょう。
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