高齢者の栄養管理は難しいものです。
高齢の方は食べる量が少な過ぎるのもよくありませんし、かといってたくさん食べ過ぎてしまうのもまた様々な病気を発症しやすくなるので良くありません。
少なすぎず多すぎない、尚且つしっかりと栄養分の摂取ができる食事でなければなりません。
高齢者の栄養管理をしっかりとすることは、健康的な状態を少しでも長く持続させる上で欠かすことができないのです。
では、高齢者の栄養管理について詳しく考えてみましょう。
介護の基本は食事!
高齢者の介護をする上で、最も基本となることは食事だと言えるでしょう。
食事を取らなければ排便もスムーズに行われず、食事量が著しく低下してしまいますので、とても大切なことなのです。
しかし、高齢になるとどうしても食欲が衰えてしまい、栄養分が不足してしまいがちです。
その結果、体調を崩してしまうことも少なくありません。
このような問題を未然に防ぐためにも、しっかりと食べてしっかりと排泄するという身体の働きを損なわないようにしましょう。
高齢者に適したバランスの良い献立とは
では、高齢者の食事に適した献立にはどのようなものがあるのでしょうか。
基本となるのは主食と主菜と副菜、そして汁物の4つです。
主菜をある程度決めた上で、その主菜に不足している栄養分を副菜などで補うようにします。
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- 主食
主食はご飯やパンなどが基本ですが、糖尿病の患者さんや減量をしなければならない人にとって、糖質はあまり良いものではありません。
そんな時は、玄米や麦を使用すると良いでしょう。
玄米や麦には、白米よりもたくさんの食物繊維が含まれていますので、食後の急激な血糖値上昇を抑制する効果に期待できます。
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- 主菜
主菜として選ぶものはやはり肉や魚、たまごや大豆食品といったようなタンパク質が豊富に含まれているものです。
タンパク質は、血液や筋肉など体の組織を作り上げる上で欠かすことができないので、しっかりと摂取する必要があります。
ただしタンパク質の中でも、肉類には脂肪が多く含まれています。
そのため、脂質異常症や肥満などによって体質を改善しなければならない場合は、大豆食品を積極的に摂取するようにしましょう。
そうすれば、脂肪の摂取量を必要最小限に抑えることができ、タンパク質をしっかりと摂取することができます。
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- 副菜・汁物
副菜や汁物には野菜や芋類、果物などがおすすめです。
副菜や汁物でビタミンやミネラルなどをしっかりと補給しましょう。
ビタミンやミネラルは、生の食品から摂取した方が効率よく摂取できると言われています。
ビタミン類は、熱や酸素に触れることで簡単に壊れてしまうからです。
積極的に生のサラダや果物を食べるようにすると良いでしょう。
高齢者の栄養管理の基本は塩分と糖質!
高齢者は病気を抱えていることも多いですから、少しでも回復の手助けとなるように栄養の管理を行う必要があります。
そのため、基本的には医師や管理栄養士からのアドバイスをしっかりと受け入れるようにしてください。
例えば高血圧の患者さんの場合、摂取する塩分の量をしっかりとコントロールしなければなりません。
できるだけ塩分を控えるようにして、カロリーの低いものを食べるようにしましょう。
それでいてタンパク質やカリウム、食物繊維といったものを積極的に摂取する必要があります。
特にカリウムには、体内の塩分濃度を下げる働きがありますので、しっかりと摂取するようにしましょう。
また、糖尿病の患者さんは摂取エネルギーの制限が特に重要になります。
GI値の低い食品の摂取も忘れてはいけません。
GI値とは、その食品がどのくらい血糖値を上昇させやすいのかを表す数値です。
糖質の摂取量をできるだけ少なくして、GI値の低いタンパク質や食物繊維の多く含まれる食品を摂取するようにしましょう。
病気によって食事を変える
高齢になると様々な病気の悩まされることも多いと思いますが、食事によってある程度の対処・予防ができる場合もあります。
脂質異常症
少し前まで高脂血症と呼ばれていた病気で、高コレステロール血症などが該当します。
脂質異常症を発症している方は、中性脂肪を下げるよう心がけなければいけません。
中性脂肪を下げる食品 |
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大豆 |
きのこ類 |
青魚(さば・いわし・さんまなど) |
植物性油(えごま油・亜麻仁油・オリーブオイルなど) |
中性脂肪を上げる食品 |
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肉類 |
揚げ物 |
ご飯・パン |
アルコール |
骨粗しょう症
高齢者に多いのが骨粗しょう症です。
ご存知の通り、骨粗しょう症は骨が非常にもろくなり、ひどい場合にはスポンジやヘチマのようなスカスカの状態になってしまいます。
カルシウムやビタミンDなどの栄養分を摂取して予防しましょう。
カルシウムを多く含む食品 |
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乳製品 |
干しえび |
煮干し |
ごま |
ビタミンDを多く含む食品 |
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しらす干し |
きくらげ |
干ししいたけ |
焼き魚 |
丼ものや麺類は避けるべき?
高齢の方には一度に食べられる量が多くない方も多いですが、栄養分はしっかりと補給する必要があります。
そうなると、丼ものや麺類はあまりおすすめできません。
丼ものや麺類は、どうしても1品だけで食べることが多くなってしまい、主菜や副菜で栄養分を補給することが難しくなります。
また、炭水化物が基本となっているメニューですので、満腹感を感じることはできても、結局のところは糖質ばかりを摂取してしまっている、ということにもなりかねないのです。
丼ものや麺類はできるだけ控え、もしそれらを食べるのであれば、果物やサラダで必ず栄養を補うようにしましょう。
また、糖質を多く摂取することになりますので、血糖値の急激な上昇が考えられます。
これを抑えるためには、食事の最初にサラダや果物食べるようにすると良いでしょう。
重要なのは1日をトータルした栄養の摂取
このように、高齢者の食事には気を付けなければならないことがたくさんあります。
食事は1日3食ですから、そのうちの1食だけ気を付けていたとしても意味がありません。
1日の中の全体的な栄養バランスを考え、それを継続していくことが重要になります。
また、栄養バランスだけでなくカロリーにも気を付けなければいけません。
高齢者が1日に必要とするエネルギーは1500キロカロリーと言われており、個人差はありますが、最大でも2500キロカロリーまでとされています。
栄養バランスとカロリーについてよく考え、健康的な毎日を送りましょう。
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