「老後は田舎でのんびりと」は一昔前の考えと言えるかもしれません。
現代の高齢者は、「老後は都会で便利に暮らしたい」と考える人が増えています。

なぜ、自然豊かな田舎よりも都会を好む高齢者が増えたのでしょうか?

病院は近くなければ通えない

高齢になると、必ずと言っていいほどついて回るのが体の不調であり、ひざや腰の痛みには誰もが悩まされることになります。
田舎の過疎化が進んで、町営や村営の医療機関が閉鎖に追い込まれることは珍しいことではありません。

高齢者の場合、特に重篤な症状でなくても長期間、場合によっては生涯服薬が必要な病気はたくさんあります。

当然、通院が必要なことも多いですから、病院のたくさんある都会の方が便利であることは言うまでもありません。

これこそが都会暮らしを希望する大きな要因と言えるのです。

核家族の高齢者は自分で通院する

病院へ行くとなった時に、近所に住む息子・娘が車で送ってくれたのは昔の話で、今は子ども家族が遠隔地に住んでいることも珍しくありません。
体調不良なのに自分で車を運転して病院へ行くのはとてもつらいことですし、危険もあります。

そうなると、歩いていける距離に病院や医院などがある方が安心できるのです。

銀行が遠くては話にならない

ATM
高齢者の主な収入源となる年金には、国民年金や厚生年金、企業年金など種類はいろいろありますが、支給方法はどれもみな銀行振り込みです。

現代の高齢者の暮らしは、銀行が遠くては不便極まりないのです。

銀行やATMが近くにある暮らしがしたい

現代人の暮らしは通販とクレジットカードがあればほぼ事足りるのは確かですが、ご祝儀があれば現金、しかも新札が必要になります。

また、個人商店などで買い物をすればクレジットカードが使えないこともありますから、現金を手軽に引き出せる都会の方がやはり便利なのです。

駅の近くには銀行がある

銀行は、そんなに大都会に行かなくても駅の近くに行けば何らかの金融機関があり、そこには間違いなくATMもあります。

田舎ではそもそも駅の数が少なかったり、駅と駅が遠かったりする場合も多いですから、駅を探そうと思った時も都会の方が圧倒的に近いのです。

災害時も都会の方がリスクが少ない

テレビやインターネットの発達で、各地の台風の被害や大雨の被害がしっかり報道されるようになりました。

高齢になって自分が被災することを考えて、初めて災害が怖いと実感します。
体力がなくなれば災害から逃げることも難しくなりますし、もし持病があれば避難所生活もとてもつらいものです。

都会のマンション暮らしは被災のリスクが低い

台風や大雨の時、築年数が経っている一戸建てでは補強の必要も出てきますし、川のそばや崖下の家などでは、避難命令が出ることもあります。

その点、都会のマンションなら大雨や台風レベルならまず避難の必要はありません。
地震は確かに恐ろしいですが、それでも木造家屋よりはずっと安全でしょう。

生まれ育った家でそのまま高齢になった方にとっては、家を離れる気持ちにはなれないものだと思いますが、ひとり暮らしやご夫婦だけの暮らしなら、都会へ引っ越しをするのも有意義な選択と言えます。

団地なら防災システムを作っているところも多い

団地式のマンションでは、管理組合などが防災のシステムを作っていることもあります。

日ごろからコミュニケーションを取っておくと何らかの協力を得られることも多く、築年数がある程度たっているマンションであれば、管理組合の役員に高齢者が参加していることも珍しくありません。

団地には介護サービス業者の出入りが多い

団地に住んでいれば、介護サービスなどの車が多く出入りします。

デイサービスの送迎や在宅入浴サービスなどを受ける人が多いので、自分や家族がそういったサービスを利用する時にも何かと便利なのです。

現代の高齢者はおしゃれも趣味も満喫したい

一昔前までは、高齢者は流行などには無関心、昔買った服を繰り返し着る節約家というイメージがありました。

しかし、今どきの高齢者はおしゃれや趣味にも熱心ですから、ヘアサロンにも行きたいし、服装だって流行を取り入れたものにしたいのです。

こういった点でも、なじみのヘアサロンがあって、なじみのブティックがある都会の商店街はとても住みやすい場所と言えます。

高齢者は、みんなで集まってお茶とおせんべいでおしゃべりというイメージが強いですが、今どきの高齢者は近所の喫茶店でモーニングサービスを楽しむのです。

純喫茶は高齢者の憩いの場?

大都会の主要駅では見かけなくなりましたが、地方都市の駅前などには今でも、昔からずっと営業しているような純喫茶があります。

オーナーも高齢者ならお馴染みさんも高齢者というお店が多く、こういうお店では午前中にお店が満員状態になり、高齢者のお馴染みさん同士で会話が弾んでいるのです。

都会にはこういうコミュニティーは少なくありません。

簡単な朝ごはんと楽しい会話が一度に楽しめますから、ひとり暮らしの高齢者にとっては、昼夜孤食でも朝はみんなで会話を楽しみながら食事ができる場所なのです。

スーパーが近いと健康になる?

田舎に住んでいると、毎日遠いスーパーに行くわけにもいかず、通販やコンビニ宅配を利用することになります。

パソコンやスマホで簡単に買い物ができてとても便利ですが、これが運動不足の原因になってしまうことも考えられるのです。

徒歩圏にスーパーや銀行があると歩く機会が増える

徒歩圏に銀行やスーパーがあると、少なくとも週に何回かは足を運ぶことになります。

若い人にはどうということもないかもしれない、「買い物に行って帰ってくる」というこの行動が、高齢者にはとてもいい運動になるのです。

銀行や郵便局、医院などが徒歩圏にあれば、何かと歩く機会が増えます。

出かければお店で店員さんと会話をしますし、知り合いに会うかもしれません。

ちょっとした気分転換にもなりますから、徒歩圏に生活に必要な施設があるということは高齢者の健康維持につながると言えます。

故郷に帰っても思い出の場所はもうない?

故郷
余生は故郷へ帰ってゆっくり暮らしたい、懐かしい土地に戻りたい、と思う人は多いでしょう。

大学入学以来都会暮らしなんて人も珍しくありません。

都会暮らしに慣れた体で田舎暮らしは、体力的に厳しいものがありますが、それでも故郷はなつかしいもの。

高齢者が都会で暮らす時、この二つの気持ちに、どう折り合いをつければいいのでしょうか?

都会には田舎育ちの高齢者が大勢いる?

実は都会には田舎育ちの高齢者がたくさん住んでいます。

多くの人が、大学進学や就職で都会に出てきて以来、都会暮らしなのです。

故郷には兄弟がいるけど、今は冠婚葬祭ぐらいの付き合いしかなかったり、兄弟も同じように都会暮らしで田舎には親族はもういなかったりすることもあります。

結局のところ、ご近所の似た年齢の人と話す方が思い出話が盛り上がることになりますし、夜店や盆踊りの話などは同郷でなくてもできるのです。

おすすめは地方都市!

都会暮らしは高齢者におすすめですが、農村部から大都会へ出て暮らすのには少々無理があります。
もともと大都会で暮らしていた人には便利な土地でも、田舎から移り住むのはなかなか難しいものなのです。

そこでおすすめなのが、地方都市の駅周辺です。
徒歩圏に駅があるような地域には銀行や商店街、スーパーに郵便局、医院などが集まっていることが多いものですから、高齢者の都会暮らしにはまさにうってつけというわけですね。

もし、ご家族やお近くの高齢者で都会暮らしを検討されている方がいらっしゃいましたら、地方都市を勧めてみると良いかもしれません。

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