リフォーム業界では、在宅介護の需要拡大を受け、大手をはじめ介護リフォームのためのプランを提供する業者が増えています。

中には、グループ会社で介護用品の販売・レンタルを扱うなど、住環境も含めたトータルな視野での在宅介護プランを提供しているところもあります。

ここでは、Webサイトで介護リフォームプランの提案に力を入れている企業を数社ご紹介しましょう。※ 2017年4月現在

福祉の知識+建築の知識=住環境プランナーが設計を担当〜Panasonic

 

年間の工事実績が27,700件超(2015年度)、30万件突破(2000年12月〜2015年4月)というPanasonic(パナソニック)のエイジフリーショップ。福祉の知識を併せ持ち、建築の経験が豊富な1級もしくは2級建築士が、住環境プランナーとして設計を担当しています。

こういう時にはこういった物を、というように、その状況に応じて必要と思われる介護用品も含めたリフォームプランを提案。20年近く介護事業に取り組んできたこともあり、介護保険を利用した住宅改修についてもWebサイト上に詳しく説明がされています。

介護リフォームの事例コーナーでは、実際の写真を用いてどの部分に手すりを付けたか、工事費の目安などについても明記されています。
施工例の数も多く、リフォームのビフォー・アフターがわかりやすく掲載されています。ここでは、その一部を文章のみですがご紹介しましょう。

浴室のリフォーム例
車イスからも移動しやすいように、段差レスで3枚引き戸の出入り口。身体を支えて安定させてくれる握りバー。座った姿勢で入浴できるシャワーなどを設置して、ひとりでも安全に入浴ができるように。他には、給湯器を交換して浴槽サイズをゆったりした余裕のあるものに取り替えたり、リモコンでお湯の量や温度を簡単に調整できるようにしたり、水栓もレバー式にして操作を楽にしました。

トイレのリフォーム例
リモコンや手洗いのシンクを前の方に付ければ、振り返らずに使えるので転倒防止になるでしょう。

キッチンのリフォーム例
車イスでも調理などができるように低めのシステムキッチン。高齢になると、ガス台の青い火が見えにくくなってしまうので危険。火を使わないIHクッキングヒーターに変えることにしました。

床材、照明やドアホンの例
花粉やダニの死がいなどのアレルゲンを抑制する塗装がされた床材に変更し、さらにエアコンで舞うほこりを抑えるため床暖房に。照明はセンサーが反応して自動で点灯するものに。安全対策として、ドアホンを家のどこでも応答できて、カメラも付いているものに。

身体の状況に合わせてリフォームを提案〜住友林業

 

「家族ひとりひとりにとって、快適で安全な住まいであること」
「これから先もずっと、暮らしやすい住まいであること」

ということをコンセプトに、自宅でいつまでも安心して暮らせるように、身体の状況に合わせたリフォームを提案しています。実例の紹介数は数件のようですが、ポイントごとに写真と共に解説がされています。
また、「よくわかる予防・自立・介護リフォーム」という介護リフォームのための提案カタログも、Webサイトから請求することができます。

玄関の例
ちょっとした段差も、手すりがあるだけで安心感がでます。作り付けのベンチを設置すれば、座って靴を脱いだり履いたりもでき、来客の際に玄関先でちょっとした座談も可能。

リビングの例
畳コーナーなどあえて段差を設けて、畳でくつろいでいても、立つ時の動作負担を少なくしました。

廊下や床などの例
廊下にフットライトを設置して、夜間のトイレにも足元が安心。部屋の境には、建具を引き戸に変えて開閉時の動作を楽にし、つまずき防止のためにドアレールがない釣り上げ式の扉に変えるのがおすすめ。床は滑りにくいコルクタイルが良いでしょう。

キッチンの例
火を使わないパワフルなIHヒーターが最適。車椅子の場合、対面式だと意外なほどスペースをとるため、背面式が良いでしょう。使いやすさと省スペースが図れます。

トイレ・洗面室
トイレと洗面室を1つの空間にして動きやすいスペースを確保しました。洗面台の下に脚を入れられる仕様(膝が奥まで入れられるよう)にすれば、車イスでも楽に使用できます。また、場所は寝室に隣接すると良いでしょう。コンセントや照明のスイッチも操作しやすいように、洗面台の左脇に設置します。

便座は、立ち座りが楽な手すり付きの便座に変更。車イスと介護者が楽に動けるように、2畳半余りの広さに拡張しました。

このように、それぞれの箇所でどのようなリフォームが適しているかのポイントについても、しっかりと説明されています。

専用プランはないが、リフォーム実績は多数〜積水ハウス

 

介護リフォームの専用プランはありませんが、たくさんのリフォーム実績の中には、バリアフリー化のリフォームも含まれています。

他にも、築48年の伝統的間取りの純和風住宅をバリアフリー化した実例も掲載されています。
段差が多く、暮らしづらかった高齢の母親のためにバリアフリー化。水回りの位置を変えることで、生活動線や家の中の風通しも変わって過ごしやすくなったそうです。寝室とLDKを隣接することで、母親が家族の気配を感じられるようにもしたそうです。

お住まいの住宅が積水ハウスで建てられたのであれば、ハウスオーナー限定の会員制サイトでリフォームの相談などが受けられるようです。
(自社施工の家以外は、グループ会社である積和建設が担当)

また、ユニットバスやトイレ、キッチンなどユニットだけのリフォームであれば、通販サイトamazon内で工事費込みの販売も行っています。

インターネットの通販でリフォームが申し込めるのも、利便性が高いと言えるでしょう。

地域密着型の業者もあり。登録サイトでまとめてさがすことも可能

 

施工可能地域が関東の一部だけのようですが、実例写真とともに介護リフォームのコーナーを公開している会社もあります。
介護福祉用品のレンタルや販売もしている会社で、介護保険利用のリフォームについても説明がされています。

他にも、自分に合った条件の業者を数社紹介してくれる登録サイトもインターネット上に複数存在します。中には匿名で問い合わせができるところもあるようなので、相見積もりをとるために利用するのも良いかもしれません。

大手リフォーム会社をはじめ、今後多数の業者が介護リフォームに参入してくると予想されます。終の棲家とするためのリフォームですから、予算や実績だけではなく、問い合わせに迅速かつ丁寧、そして親身に相談に乗ってくれる業者が望ましいと言えるでしょう。

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