高齢者にとって髭剃りなどの身だしなみを整える行為は、若い方たちが想像するよりはるかに大事なことです。
身だしなみを整えることで積極的に外出ができるようになったり、生活の質が上がって外交的になり、リハビリにも繋がるのです。
しかし、高齢になると手に力が入りにくくなったり、持病でうまく手が曲がらなかったりすることも。
認知症がある場合には髭剃りをすること自体、忘れてしまうこともあるでしょう。
高齢者の皮膚は乾燥しがちですし、たるみによって髭剃りが難しくなっていることもあり得ます。
自分で髭剃りをできない場合は、介護をする家族か、介護ヘルパーなどの力を借りる必要があります。
介護ヘルパーは髭剃りができない?電気カミソリなら問題なし!
髭剃りは介護目的ではなく「理容」目的とされている
髭剃りは日常生活に必要なことですので、自分でできなければ介護ヘルパーさんがしてくれると思っていませんか?
実は、カミソリを用いた髭剃りは「理容」にあたり、理容師法で「理容師免許を持っている人にしか出来ない」と決められているのです。
では、理容師免許を持っている介護ヘルパーさんを派遣してもらった場合はどうでしょう?
残念ながら、その場合には介護を目的としていない「理容」目的の行為とされ、介護保険によるサービスは受けられないのです。
電気カミソリは介護ヘルパーでも髭剃りしてよい
では、電気カミソリ(電気シェーバー)はどうでしょう?
電気カミソリは、特に知識や技術がなくても気軽に髭剃りをできる画期的な道具ですよね。
法律的にも、電気カミソリを使用した髭剃りについては特に規定がありません。
介護ヘルパーが電気カミソリ使用して髭剃りを行うことには、問題がないようです。
実際に、入所型の介護施設などでは電気カミソリを利用した髭剃りを行っている所も多くあります。
デイサービスなどで髭剃りをお願いする場合には、感染予防の為に必ず自分の電気カミソリを持参しましょう。
電気カミソリは剃り残しが気になる?
普段カミソリで髭剃りをしていらっしゃる方からすると、電気カミソリで髭を剃っても剃り残しが出来てスッキリしないのでは?と思われるかも知れません。
ですが、今では電気カミソリにも色々な種類があります。
性能が高い機種を使い、使用方法を間違えなければ驚くほど綺麗に髭がそれます。
水洗いが出来たり、自動洗浄機能を備えていたりするので、簡単に清潔を保てていいですね。
髭剃りは毎日のことですので、介護の負担を減らす為にも新商品の購入を検討してみるのも良いかもしれません。
家族が髭剃りをする場合は臨機応変に
ご家族が介護の一部として髭剃りをする場合にも、カミソリよりは電気カミソリの方が手軽かと思います。
特別な理由がなければ電気カミソリで髭剃りをし、どうしても剃り残しがある部分のみ、T字カミソリなどを使用してみてはいかがでしょうか?
介護が必要でも片方の手だけなら自由に動く場合などは、ご自身で出来るところだけ剃ってもらって、残ってしまった所の処理を家族が手助けする、という方法がいいでしょう。
本人のやる気も損なわず、身だしなみもきちんと出来て気持ちがいいですね。
介護が必要な方の髭を剃る正しい手順
- 最初に、髭剃りをすることを説明します。
認知症がある場合などは特に、本人が驚かないようにきちんと説明してください。
電気カミソリを使用したとしても、急に動かれたりしては危険です。なるべく安心してもらいましょう。 - 蒸しタオルなどで髭を柔らかくします。お風呂上がりに髭剃りをしてもいいですね。
- 髭剃り用のクリームなどを塗ります。電気カミソリの場合にはカミソリ刃の滑りをよくするものがオススメです。
- 皮膚のたるみは手で引き伸ばし、髭を立てるようにして電気カミソリ(カミソリ)をあてます。
電気カミソリで剃り残しがある部分は、再度髭剃り用のクリームを塗ってからT字カミソリなどで剃ります。 - アフターシェーブローションなどで油分や水分を補います。
高齢者の髭剃りを正しい手順で行い、身だしなみを習慣にして、生活の質を保ちましょう。
介護される高齢者自身にとっても、介護する家族にとっても明るい毎日にしたいですね。
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