家族の介護をしている場合、身体を拭いてあげることは出来ても、洗髪となると難しいと思われるかもしれません。
そこで、気分転換にもピッタリなベッド上での洗髪方法を、道具の説明も交えて解説します。
介護しているご家族の洗髪にお困りの方はもちろん、将来的に介護をする予定の方も参考にしてくださいね。

「ケリーパッド」でベッドの上に洗髪スペースを確保!

ベッドの上で洗髪する場合、水浸しにならないためにスペースの確保を最初に行います。

洗面台代わりのスペースに「ケリーパッド」を使用

介護の現場でも使用されている簡易洗面台「ケリーパッド」。
空気で膨らませ、頭の下に敷いてバケツに排水します。
ケリーパッドは、一般家庭向けにも販売されています。
襟巻き型のものもありますが、購入するとなると意外と高いですし、何かとお金のかかる介護中は少しでも金銭的な負担を減らしたいですよね。
実はこのケリーパッド、家庭にあるもので手作りすることができるんです。

ケリーパッドを家庭で作る方法

用意するものは、ポリ袋と大きめのタオルのみ。
タオルを棒状に丸め、「C」型になるようにポリ袋に入れて完成です。
ケリーパッドをイメージしながら形を整えてください。
ポリ袋の表面に溜まったお湯が「C」の隙間を通り排水される仕組みです。

バケツを設置する場所に、ポリ袋を繋げるなどしてお湯の流れる道を作ってください。
途中で決壊してしまわないように洗濯バサミなどでうまく固定できると安心ですね。

防水は広範囲にしっかりと

洗髪していると、意外と広範囲にお湯が飛ぶことも。
そのため、やりすぎなぐらいに広めに防水対策をしてください。
防水シートを敷く方法もありますが、ポリ袋を敷いてもいいですね。
洗髪する方も衣服が濡れてしまわないように、エプロンで防いでください。
「エプロンが無い」という方は、ここでもポリ袋が役立ちます。

いよいよ洗髪しましょう!

スペースが確保できたら、いよいよ洗っていきます。
まずは、洗髪しやすいように要介護者の方の体勢を整えましょう。基本的には仰向けで行います。
枕よりもお湯の溜まる所が少し低くなるようにケリーパッドを設置してください。
肩甲骨を枕に、首の下にタオルを挟みケリーパッドの縁へ乗せます。
洗髪中のお湯やシャンプーがケリーパッドを伝いバケツへ流れるように勾配をつけ、調節しましょう。

洗髪中に必要なもの

洗髪中に使用するものは、シャンプーとお湯です。
お湯はコップなどで髪にかけることも出来ますが、シャワーの代わりになるものがあると更に便利です。
やかんや、ペットボトルの蓋に穴を開けて作った簡易シャワーを用意しましょう。
お湯を入れたペットボトルの簡易シャワーを何本か手元に置いておくとスムーズに進めることができます。

素早く行うために常に先のことを考えて

お湯が冷めて頭が冷えてしまうと体に悪いので、タオルやドライヤーも予め手元に用意しておきます。
要介護者が高齢者の場合、少しの体調不良も危険です。
高齢者でなくても、寒いところで長時間髪が濡れた状態であれば風邪をひいてしまいますよね。
エアコンなどの暖房器具で部屋を暖かくして、素早く行ってくださいね。

要介護者をベッドで洗髪する際に注意すべきポイント

介護でのシャンプー
身体が不自由な要介護者は、洗髪するにも危険が付きまといます。
行うにあたり、注意すべき点をもう一度確認しましょう。

室温と水温はきちんと調整

室温は、私たちが体感しているよりも暖かくしておきましょう。
お湯はすぐに冷めてしまうので、少し熱めのものを多めに用意しておきましょう。
特に高齢者にとっては、風邪ひとつでも危険です。

また、高齢になると皮膚の感覚が少し鈍くなっていることもあり、熱く感じないこともあります。
必ず水温は目で確認するようにしましょう。

まずは練習をしてから

いきなり要介護者の洗髪をしてしまうと、失敗したときに大変危険です。
他の元気な家族や親戚、ご友人などに協力してもらい、ひと通り練習してください。

冷えないようになるべく素早く行う

洗髪自体はお風呂場や洗髪台で行うときと同じように、なるべく優しくしてあげてくださいね。
髪が濡れている状態で待たせてしまうと、すぐに冷えてしまいます。
すすぎが終われば軽く絞り、素早くタオルで包み水分を拭き取りましょう。
ドライヤーを手元に用意しておき、素早く乾かして洗髪は終了です。
流れるような作業が理想です。

心がけ次第で楽しい時間に

「お湯加減はいかがですか~?」「痒い所はございませんか~?」と、美容院遊びをするように確認しながら行えば、より楽しく、要介護者の方にも喜んでもらえるでしょう。

介護が始まると大変なことが多いですが、やっぱり大好きな家族には、少しでも快適に暮らしてもらいたいものです。
ただの作業でなく、コミュニケーションをとりながら進めることで絆も強まりますね。

回数を重ねるごとに、それぞれの行いやすい方法や流れを発見しながら楽しく続けてください。

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