まだ元気なうちに、自分たちが要介護になる可能性と時期を見越して物事の計画を立てていくのは、気持ちの良いものではないかもしれませんね。
それでも、いざ高齢化して援助が必要になってから介護リフォームを始めるのでは遅すぎてしまいます。
いまでは選択肢として、まだ元気なうちに有料老人ホームや高齢者向けマンションへの移動を考える人もいますし、ギリギリではなく余裕をもって考えていきたいものです。
段階的に進めていくこともできる
介護リフォームは一気に行うこともできれば、段階的に進めていくこともできます。
例えば、現在の自宅がバリアフリーではない場合、早いタイミングで床の段差を少なくしておけば、床面の状態に慣れることができます。
またバリアフリー工事には一定の時間がかかるので、余裕をもって始めておきたい分野です。
トイレと寝室を近くにする工事や、トイレや浴室の入り口を広くするなど、大規模なものも同時に済ませておくことができます。
一方で、後から必要に応じて追加することのできるものは、必要が生じるようになったタイミングで設置できます。手すり類は設置場所が本当に役に立つところになっていないと意味がないので、ある程度のリフォームが終わってから設置場所や高さを考えて後付けすることができます。
事前に先を見越して介護リフォームを始めていく場合は、<span style=”border-bottom: 1px solid #ff0000;”>現実的な見方をする必要があります。</span>
それはつまり、要介護になることを見越して準備したものの、結局は自宅での介護を必要としないという結果です。
もちろんそれはそれで嬉しいことです。
備えをしておいても実際に使用しないものはたくさんあります。
自宅のお風呂を介護用に改装しても、本当に介護が必要になったときにはデイサービスなどを利用することで、自宅での入浴は必要なくなるかもしれません。
そこで、介護リフォームの計画を立てるときには、「本当に使うだろうか?」という視点より、「介護が必要になった場合には、自宅をどのような状態にしておかなければならないか」という視点で考えるようにしてください。
介護リフォームの分野で経験があって、信頼できる業者に相談することも大きな助けになります。
その他の選択肢を視野に入れる
将来を見据えて物事を考えるとき、「自宅での介護しか考えない」と心に決めている場合は、迷わずにリフォームの計画を立てていけます。
でもなんとなく自宅の改造を考えているだけであれば、その他の選択肢について耳にすると心が揺れるかもしれません。
たとえば高齢者用の介護付きマンションに引っ越すとか、有料老人ホームに入所するなどです。
その場合、いまの持ち家をどうするかという問題が発生します。
不動産屋を介して持ち家を売却することもできれば、住み替え支援機構による「マイホーム借り上げ制度」を活用して自宅を貸すこともできます。
上手に制度を利用すれば、毎月安定して賃料を得ながら別の場所で生活できるのです。
早い段階から専門家を選んで相談しておく
いろいろな選択肢を調べて比較考慮した結果、やっぱり自宅で生活したいという結論に達したなら、具体的に計画を立てていきましょう。
おすすめしたいのは、早い段階から専門家に相談することです。
個人でいろいろ調べていても、全体としてバランスのとれた見方をするのは難しいですし、タイミングを見極めるのも簡単ではありません。
その点、長年の経験を持つプロなら、どんな点を考慮すべきか、何をどのように進めていけばいいか、リフォームの成功例と失敗例などを参照しながら教えてくれるに違いありません。
それで、将来を見据えた計画を立てるための第一歩として、信頼できる会社や業者を選ぶことから始めてください。
早い段階から行動を起こしたことは、後になってから「よかった」と思えるに違いありません。
まさに備えがあれば憂いがないとの言葉通りです。
できれば、地元の業者に頼むという発想ではなく、「介護リフォーム」という特有の分野での知識と施工実績を豊富に持っている業者を探してください。
建築に携わっていれば施工できないわけではありませんが、優れた設計と使いやすさを実現できるとは限らないからです。
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